Traveller’s Coat

Traveller's Coat(2010)

Traveller's Coat(2010)

Traveller's Coat(2010)

Traveller's Coat(2010)

Traveller's Coat(2010)

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Photo by Non Matsu

Traveller’s Coat

above:Joachim Rong Garelly(Berlin/Germany) May.2013
Costume used in a live performance of a musician, Daisuke Isomichi.
below:Paper Works Exhibition 2011 ,Stage Yuu Gallery (Jiyugaoka/Tokyo/Japan) February.2011
Paper kimono was one of the most important belongings for Matsuo Bashō (the most famous poet of the late 17th century, Edo period in Japan), when he was on a poetry-composing journey. I formed this down vest out of Japanese paper with a compass on to show him the direction, inspired by the poet who always appreciated the quality of a paper vest.

Traveller’s Coat(2010)
私がある会社へ就職している間にすっかり和紙の世界から離れてしまい、思い出そうとした作品。
和紙とは何かを今一度考えた時、江戸時代の有名な俳句家松尾芭蕉に行き当たった。
松尾芭蕉は「無所住無所著」の考え方で日本全国を歩き旅しながら俳句を詠んだ俳句家で、
有名な著書『奥の細道』を残した。この中に紙子(和紙の衣)にまつわる有名な一節がある。
「草加ー痩身の肩にかゝれる物まづくるしむ、たゞ身すがらにと出で立ち侍るを、紙子一衣は夜の防ぎ、ゆかた、雨具、墨、筆のたぐい、あるは去りがたき餞などしたるはさすがに打捨てがたくて、路次の煩ひとなれとこそわりなけれ

芭蕉は今で言うバックパッカーだったのである。
その芭蕉が旅の荷物を作る時に必需品として持ったのが紙子(和紙の衣)であった。
軽く荷物にならず防寒性に優れ値も安く、そして修繕が容易である。
芭蕉はこの衣についての俳句も度々詠んでいる。
「笠は長途の雨にほころび、紙衣はとまりの嵐にもめたり

「かげろふの我肩に立つ紙子かな

「ためつけて雪見にまかる紙子かな

「紙衣の濡るとも折らん雨の花

旅中ずっと和紙と共に歩き、何よりもこの和紙の衣の良さを知っていた芭蕉を称えたいと思いこの作品を作った。

アウトドアで使われているダウンベストを和紙で形成し、旅中迷わないよう、方位磁針を埋め込んだ。