Under Ground(2005)
初めて和紙作品を作った時、大学の外で天日干ししながら湿った分厚い和紙に皺を作った。それがこの作品。 和紙を作る工程での水や土や楮(和紙の原料)の触感が泥遊びをしていた子供の頃を想い出させ、大地を手に掴んでいる様な不思議な感覚を覚えた。 漉桁 (スケタ)で和紙を漉いてみると、水とネリが紗(シャ)の隙間と隙間を通って漉き舟に流れ落ちる音がした。それは今までに聞いた事の無い綺麗で力強い音だった。和紙を扱っていると自然の近くに居る事を感じる。 その感覚を作品にできないかと考えて地面の下「UnderGround」を表現した。 この作品の白い部分は楮(コウゾ)で作成され、中に紫色の実である洋種ヤマゴボウで染めた麻と和紙を入れた。土の下に雨水が滴り染み込んでゆく音の世界を表現した。